サーバーの管理はどうする?クラウド、ホスティング?違いを分かりやすく解説

自社のシステムやWebサイトの運用を開始する際、サーバーをどうするか社内で議論になることがあると思います。
「オンプレミス」「ハウジング」「ホスティング」「クラウド」……言葉は聞いたことがあるけれど、違いが明確に分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この記事では、サーバーの運用方法についてまずは大枠が理解できるよう、分かりやすく解説します。

サーバーとは?一言でいうとコンピューターのこと

サーバーという言葉はよく聞くし、なんとなく分かっているようないないような……
でもいざ説明しようと思うと難しい……そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。

サーバーとは、サービスを提供するコンピューターのことです。
基本的には私たちが普段使用しているコンピューターと同じ役割を担っています。

例えば、私たちはWebブラウザを介してWebサイトを閲覧できます。
これらを可能にしているのがネットワーク上にあるコンピューター、つまりサーバーです。
サーバーには、Webサイトを動かすためのソフトウェアやデータが保存されています。
そして私たちの要求に応じてWebサイトのページを表示してくれます。

Webサイトに限らず、メール、ゲーム、仕事で必要な資料などのファイル、企業のシステムなどあらゆるサービスを保存したり、要求に応じて提供してくれます。

このようにネットワーク上でサービスを提供してくれるコンピューターのことをサーバーと言います。

サーバーだけあっても何もできない

例えば私たちのパソコンは、ソフトウェアが搭載されていなければWebサイトの閲覧もゲームも計算もできないただの置物です。
新しいパソコンを購入すると、自分で何もインストールしなくても、テキストの入力、計算、ゲームなどできますが、これはパソコンが納品された時点でソフトウェアが搭載された状態だからです。

自社にサーバーを構築できる有識者がいる場合はサーバーを購入し、カスタマイズして使うこともできますが、有識者が不在の場合はサーバーを構築するのはハードルが高いでしょう。

次の章では、サーバーを自社保有にするか、他社から借りるかについて解説します。

サーバーは自社で保有する?他社から借りる?

自社サーバー

自社で保有するサーバーのメリットは自由に構築できるところです。
ファイルサーバーとして構築する、何かしらの社内システムが機能するように構築する、Webサイトが公開できるように構築するなど用途は自由で様々です。
ただし構築する知識と技術が必要で、例えば社内システムなどは(規模にもよりますが)システムインテグレーター(SI)など、ソリューションビジネスを提供する専門企業に依頼するのが一般的でしょう。

なお、自社サーバーだからといって、自社に置く必要はありません。
どこに置くのかも自由です。
(置き場所とサーバーの関係についてはこのあとで説明します。)

他社サーバー

自社保有ではなく、外部の事業者が提供してくれるサーバーです。
契約内容により自由度は変わります。

何もインストールされていないサーバーが提供される場合もあり、自社サーバーを購入した初期状態と近いケースもあります。
一方、事前にハードウェアやソフトウェアがインストールされていて、契約した時点からすぐに運用が可能なサーバーもあります。

サーバーをどこに置くかで管理形態を分類

前述の通り、サーバーは自社で保有するか、他社が保有するサーバーをレンタルすることになります。
ただし、自社サーバーであっても、自社の敷地で管理するとは限りません。

保有者とサーバーを置く場所によって管理形態が大枠で以下の4つに分類されます。

オンプレミス

自社の敷地自社のサーバーを置く方法です。

メリット

セキュリティ面
自社でセキュリティ対策を実現できるようであれば、機密性の高い情報を取り扱う業種に最適です。

カスタマイズ性
自社サーバーであり、かつ自社の敷地内で管理することから自由にカスタマイズできます。

デメリット

コスト面
導入および維持費用は高額になる傾向があります。
すべてを自社で調達し、環境を整え、管理しなければならないため膨大な費用がかかります。

人材面
ハードウェア、ソフトウェア、運用に関する知識をもった技術者が必要になります。
質の高い人材の確保、人件費なども考慮する必要があります。

ハウジング

他社の敷地(データセンター)自社のサーバーを置く方法です。

オンプレミスとの違いは、設置場所です。(オンプレミスは自社の敷地)

メリット

BCP・DR対策
BCP(Business continuity plan):予期せぬトラブルや災害などの緊急事態にも運用を継続できるよう対策をすること。
DR :(Disaster Recovery):システム障害からいち早く復旧させるための対策をすること。
一般的に、データセンターは災害に強い場所、堅牢な造りになっています。
そのため、万が一の時にも事業を継続できる体制(BCP対策)と、いち早く復旧ができる体制(DR対策)が整えられており、企業にとって大きなメリットです。

コスト面
オンプレミスと比較すると、初期および維持管理費が抑えられます。
具体的には回線、電源、耐震性など整った施設が事前に用意されており、電気代、人件費、サーバールームのスペースなど維持費も抑えられます。

安定性
セキュリティ対策や停電に備えているデータセンターも多く、365日安定した運用が可能になります。

カスタマイズ性
オンプレミスと同様自社サーバーのため、自由にカスタマイズできます。

デメリット

価格の違いはありますが、基本的にはオンプレミスと同様です。

コスト面
導入および維持費用は高額になる傾向があります。
すべてを自社で調達し、環境を整え、管理しなければならないため膨大な費用がかかります。

人材面
ソフトウェア、ハードウェア、運用に関する知識をもった技術者が必要になります。
質の高い人材の確保、人件費なども考慮する必要があります。

ホスティング(レンタルサーバー)

他社の敷地にある他社のサーバーを借りる方法です。

ハウジングサービスとの大きな違いは設置されたサーバーも他社である点です。(ハウジングサービスは自社サーバー)

メリット

導入面
必要なハードウェアやソフトウェアが搭載されているサーバーを選べば専門知識がなくても導入は容易です。

コスト面
ハウジングと比較して導入および維持費用が安価です。

保守面
サーバーの保守が不要なため、障害対応なども任せられます。

デメリット

カスタマイズ性
自由度が低く、ハウジングと比較するとできることが限定されます。

安定性
共有サーバの場合、他社の影響を受けやすく処理が不安定になりやすいです。
また、サーバーがダウンすると自社で解決ができず、復旧を待つしかありません。

クラウドコンピューティング

他社の敷地(世界中のどこか)にある他社のサーバーを借りる方法です。

ホスティングとの違いは以下になります。

ホスティング:サーバーの所在が明確
クラウド:サーバーの所在が不明

クラウドは世界中にサーバーを配置しており、どこに置かれているのか分かりません。

メリット

環境面
自社内で環境を用意する必要がなく導入時や運用時の負担を軽減できます。

カスタマイズ性
サーバーの台数やスペックなどの変更が可能です。

コスト面
トラフィック分だけ課金される従量課金制のため、ムダな費用をかけずに済みます。

BCP・DR対策
BCP(Business continuity plan):予期せぬトラブルや災害などの緊急事態にも運用を継続できるよう対策をすること。
DR :(Disaster Recovery):システム障害からいち早く復旧させるための対策をすること。
一般的に、データセンターは災害に強い場所、堅牢な造りになっています。
そのため、万が一の時にも事業を継続できる体制(BCP対策)と、いち早く復旧ができる体制(DR対策)が整えられており、企業にとって大きなメリットです。

デメリット

コスト面
従量課金制はメリットでもありますが想定外にトラフィックが増大した場合、コストも想定外に跳ね上がる可能性があります。

人材面
ソフトウェア、ハードウェア、運用に関する知識をもった技術者が必要になります。
質の高い人材の確保、人件費なども考慮する必要があります。

管理形態のまとめ

ここまで管理形態について解説しました。

まとめると以下のようになります。

オンプレミス:
自社の敷地で自社サーバーを管理する
高コスト
社内に有識者が必要

ハウジング:
他社の敷地で自社サーバーを管理する
高コスト(オンプレミスと比較すると低コスト)
社内に有識者が必要

ホスティング:
他社の敷地で他社サーバーを借りて管理する(サーバーの所在は明確)
他の形態と比べると比較的低コスト
有識者が不在でも運用しやすい

クラウドコンピューティング:
他社の敷地で他社サーバーを借りて管理する(サーバーの所在は不明、世界中のどこか)
コストは従量課金制
社内に有識者が必要

自社の人材や費用感に合わせた選択が必要

ここまでサーバーの運用方法について、大枠を解説しました。

近年ではAWS(Amazon Web Services)、Microsoft Azure、GCP(Google Cloud Platform)などのクラウドコンピューティング の導入が注目されていますが、高度な知識も必要です。

ホスティングサービスのように気軽に契約できるサーバーを選択するにしても、自社に有識者が不在の場合、信頼できる委託先があるかなども含めて検討することも重要です。

私たち鶴岡製作所では、どのレンタルサーバーを選べばよいのか分からない、といったご相談も承りますのでお気軽にご相談ください。

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