もともとAというサイトのコラムで掲載していた記事がありました。
しかし、AサイトはSEOを意識していないサイトだったため、Aサイトで掲載しているある記事を、お問い合わせにつなげたいBサイトへ移動。
するとGoogleの検索順位に大きな差が生じ、結果、記事ページへの流入数にも差が出たのです。
同じ記事を時期をずらしてAサイトとBサイトで掲載した結果、検索結果の順位に差が出た
Aサイトの状況
ドメイン運用歴:8年以上
サイトのページ数:10ページ(コラムの記事を含む)
サイトの内容:ホームページ制作サービスに関するご案内
流入経路:主に広告からの流入をメインとしている(現在は広告配信を停止中)
ある記事(2300文字程度)を半年間掲載しましたが、Google検索からの流入はゼロ。
Googleで数ページ検索してもなかなか見つけられないという記事がありました。
Bサイトの状況
ドメイン運用歴:20年ほど
サイトのページ数:60ページ程度
サイトの内容:コーポレートサイト
流入経路:主にGoogleなどの検索エンジンからの流入をメインとしている(オーガニック検索)
Aサイトで掲載していた(前述の)ある記事をAサイトではnoindexにして、その記事をBサイトへ移動。
掲載してから5日以内にGoogleオーガニック検索からの流入がBサイトで確認できました。
検索キーワードにもよりますが、現在は2位~5位あたりの順位で確認がとれています。
※キーワードは、Googleで月2000件くらいの検索しかされていないニッチなキーワード(ロングテールキーワード)で試しています。
なぜAサイトでGoogleの検索順位が低かったページがBサイトでは上位にあがったのか?
ドメインの運用歴はたしかにBサイトのほうが長いのですが、Aサイトも8年は経過しているため、Aサイトも最近運用を始めたドメインではありません。
考えられることとしてはサイト全体の「質」です。
Aサイトは10ページとはいえ、広告流入をメインとしているため、トップページ以外は運営者情報や特定商取引法に関連するページ、その他コラムが数ページあるだけのホームページです。サイト全体でみてもユーザーの疑問を解決するようなクオリティの高いコンテンツが圧倒的に少なく、決して品質の高いサイトとは言えません。
一方Bサイトは60ページほどの構成で、その内コラムはまだ20記事ほどしかありませんが、ホームページの制作や運用時の困ったを解決するコンテンツをメインに情報発信しています。Aサイトと比較するとユーザーにとって有益な情報が多いサイトです。
今回テストした記事に訪れたユーザー数は、Bサイトで記事を公開して約2ヶ月後、公開直後から6.5倍に増加しました。
閲覧状況を見ながら記事を微調整して、記事のスクロール率(記事を読み進めた率)も少しずつ上昇しています。
ドメインにとらわれすぎず、質の高い情報を発信することが大事
今回の記事の移動テストによって分かったことは、同じ記事でも掲載するドメインによってGoogleの検索結果に差が生じるということです。
まず、ドメインの運用歴が直接Googleに影響するのかという点に関しては、たしかにAよりBサイトのほうが運用歴は長いです。とはいえAサイトのドメインも8年運用しています。それでもなかなか検索結果の上位に表示されませんでした。
今回分かった大きな点として、SEOにおいては1記事の内容だけでなく、サイト全体の質が1記事に対してもGoogleの検索結果で大きく影響すると実証されたことです。
この結果は、A・Bサイトを比較した際にいわゆるドメインの強さ(ドメインパワー)が影響したとも言えますが、ドメインの力は結果論のようにも思います。あくまでもサイトの「質」が重要であり、質がよいサイトであれば自ずとドメインに力がつき、Googleに評価されやすいのかなと感じます。
有益な情報を発信することはもちろんのこと、同一テーマをひとつのサイトで発信し続けることが重要になりそうです。
オウンドメディアなどのURLを考える際の参考にもなりそう
以上の結果を鑑みると、例えばオウンドメディアなどを新しく開始する場合、別ドメインにするのではなく、既存のホームページのサブドメインを検討するのがよさそうです。
すでにコーポレートサイトなど公式サイトの運用歴があり、公式サイトにある程度Googleのオーガニック検索からの流入があるようであれば、オウンドメディアをコーポレートサイトのサブディレクトリで始めることで「公式サイト」と「オウンドメディア」の相乗効果も見込めそうです。※1
ただし、Googleは「専門性」がサイトの質を向上させる、とアナウンスしています。※2
例えば公式サイトが「Webサイト制作」をメインとしたご案内であるにも関わらず、オウンドメディアは「手作りパンのレシピ情報」といった全く別のテーマで発信しても、効果は期待できないかもしれません。
※1サブディレクトリで始めるとは
例えばコーポレートサイトが「aaa.com」であれば「aaa.com/column/」などコーポレートサイトのドメイン下にフォルダを作成してオウンドメディアのデータを設置して運用を開始するということです。
※2検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイドから
専門性と権威性を明確にする
Googleが提供するドメインとSEOの関係性について
最後に、Googleのジョン・ミュラー氏が提供しているドメインとSEOの関係性に関する情報をご紹介します。
ドメイン名はGoogleの検索順位に影響しない
Googleの公式情報や社員の発言をもとにSEO情報を発信している「Search Engine Journal」というサイトによると、
ドメイン名にキーワードを含める必要はない
Google’s John Mueller:
Keywords in Domain Name Aren’t Needed
引用:https://www.searchenginejournal.com/keywords-in-domain-name/380912/
ということです。
ただし、SEO情報を発信している鈴木さんのブログによると、
ドメイン名にキーワードを入れることは、直接ランキングを上げることにはつながらないが、クリック率の改善に役立つことがある。キーワードよりもブランドイメージをドメイン名では優先する。
全般的に言って、ドメイン名の選択は、SEO よりもブランディングとマーケティング、ユーザーエクスペリエンスの問題であり、コンテンツ自体がランキングに最も重要だとゲイリーはまとめていました。
引用:自社ビジネスとGoogle検索で成功するトップレベルドメインの選び方
との記載がありました。
ドメインに会社名やサービス・商品名を入れることは重要になりそうです。