ドメインがSEOに与える影響って本当にあるの?

ドメインの運用歴の長いほうが検索結果に早くインデックスされやすい、ドメインパワーの強いほうがSEOに有利など、「ドメインとSEO」の関係性について様々な記事をよく見かけます。

同じコンテンツ(記事)でも、掲載するドメインにより本当にインデックスの早さ(Google検索に表示されるまでの早さ)や検索結果の順位に違いがでるのでしょうか?

この記事では、実際に異なる2つのドメインで試してみた結果を交えて、ドメインがSEOに与える影響についてご紹介します。
自社のドメインパワーの調べ方もご案内していますので是非試してみてください。

ドメインパワーがSEOに重要と言われる理由

ドメインパワーとは、ホームページの強さのこと、つまり、Googleなどの検索エンジンの評価(信頼度)のことで、検索結果の順位を決める重要な指標のひとつです。
ドメインパワーが強いほど、

・検索結果の上位に表示されやすくなる
・早くインデックス(登録)されやすい
・新しい記事でも早く上位に上がりやすい
・本来狙っているキーワード以外も上位表示されやすい

などのメリットがあると言われています。

でもこれは本当にそうなのでしょうか?
というわけで、異なる2つのドメインを使い実験をしてみました。

ドメインパワーが強いとSEOに有利なのか実験してみた

同じ記事を時期をずらして異なるドメインで掲載した結果、検索結果の順位に差が出た

もともとAというサイトのコラムで掲載していた記事がありました。
もろもろの事情でAサイトで掲載しているある記事をBサイトへ移動。
するとGoogleの検索順位に大きな差が生じ、結果、記事ページへの流入数にも差が出たのです。

Aサイト Bサイト
ドメイン運用歴 8年以上 20年以上
ページ数 10ページ 60ページ
サイトテーマ Webサイト制作 コーポレートサイト
(Web制作メイン)
主な流入経路 広告からの流入 オーガニック検索

Aサイトの状況

ドメイン運用歴:8年以上
サイトのページ数:10ページ(コラムの記事を含む)
サイトの内容:ホームページ制作サービスに関するご案内
流入経路:主に広告からの流入をメインとしている(現在は広告配信を停止中)

ある記事(2300文字程度)を半年間掲載しましたが、Google検索からの流入はゼロ。
Googleで数ページ検索してもなかなか見つけられないという記事がありました。

Bサイトの状況

ドメイン運用歴:20年以上
サイトのページ数:60ページ程度
サイトの内容:コーポレートサイト
流入経路:主にGoogleなどの検索エンジンからの流入をメインとしている(オーガニック検索)

Aサイトで掲載していた(前述の)ある記事をAサイトではnoindexにして、その記事をBサイトへ移動。
掲載してから5日以内にGoogleオーガニック検索からの流入がBサイトで確認できました。
検索キーワードにもよりますが、現在は2位~5位あたりの順位で確認がとれています。

※キーワードは、Googleで月2000件くらいの検索しかされていないニッチなキーワード(ロングテールキーワード)で試しています。

なぜAサイトでGoogleの検索順位が低かったページがBサイトでは上位にあがったのか?

ドメインの運用歴はたしかにBサイトのほうが長いのですが、Aサイトも8年は経過しているため、Aサイトも最近運用を始めたドメインではありません。

考えられることとしてはサイト全体の「質」です。

Aサイトは10ページとはいえ、広告流入をメインとしているため、トップページ以外は運営者情報や特定商取引法に関連するページ、その他コラムが数ページあるだけのホームページです。サイト全体でみてもユーザーの疑問を解決するようなクオリティの高いコンテンツが圧倒的に少なく、決して品質の高いサイトとは言えません。

一方Bサイトは60ページほどの構成で、その内コラムはまだ20記事ほどしかありませんが、ホームページの制作や運用時の困ったを解決するコンテンツをメインに情報発信しています。Aサイトと比較するとユーザーにとって有益な情報が多いサイトです。

今回テストした記事に訪れたユーザー数は、Bサイトで記事を公開して約2ヶ月後、公開直後から6.5倍に増加しました。
閲覧状況を見ながら記事を微調整して、記事のスクロール率(記事を読み進めた率)も少しずつ上昇しています。

ドメインにとらわれすぎず、質の高い情報を発信することが大事

今回の記事の移動テストによって分かったことは、同じ記事でも掲載するドメインによってGoogleの検索結果に差が生じるということです。

まず、ドメインの運用歴が直接Googleに影響するのかという点に関しては、たしかにAよりBサイトのほうが運用歴は長いです。とはいえAサイトのドメインも8年運用しています。それでもなかなか検索結果の上位に表示されませんでした。

今回分かった大きな点として、SEOにおいては1記事の内容だけでなく、サイト全体の質が1記事に対してもGoogleの検索結果で大きく影響すると実証されたことです。

この結果は、A・Bサイトを比較した際にドメインの強さ(ドメインパワー)が影響したとも言えるでしょう。
しかしながら、ドメインパワーは結果論のようにも思います。
あくまでもサイト全体の「質」が重要であり、質がよいサイトであれば自ずとドメインに力がつき、Googleに評価されやすいのかなと感じます。

有益な情報を発信することはもちろんのこと、同一テーマをひとつのサイトで発信し続けることが重要になりそうです。

オウンドメディアのドメインを考える際の参考にもなりそう

以上の結果を鑑みると、例えばオウンドメディアなどを新しく開始する場合、別ドメインにするのではなく、既存のホームページのサブドメインを検討するのがよさそうです。
すでにコーポレートサイトなど公式サイトの運用歴があり、公式サイトにある程度Googleのオーガニック検索からの流入があるようであれば、オウンドメディアをコーポレートサイトのサブディレクトリで始めることで「公式サイト」と「オウンドメディア」の相乗効果も見込めそうです。※1

ただし、Googleは「専門性」がサイトの質を向上させる、とアナウンスしています。※2
例えば公式サイトが「Webサイト制作」をメインとしたご案内であるにも関わらず、オウンドメディアは「手作りパンのレシピ情報」といった全く別のテーマで発信しても、効果は期待できないかもしれません。

※1サブディレクトリで始めるとは
例えばコーポレートサイトが「aaa.com」であれば「aaa.com/column/」などコーポレートサイトのドメイン下にフォルダを作成してオウンドメディアのデータを設置して運用を開始するということです。

※2検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイドから
専門性と権威性を明確にする

ドメイン名とSEOの関係

Googleのジョン・ミュラー氏が提供しているドメインとSEOの関係性に関する情報をご紹介します。

ドメイン名はGoogleの検索順位に直接的に影響しない

Googleの公式情報や社員の発言をもとにSEO情報を発信している「Search Engine Journal」というサイトによると、

 

ドメイン名にキーワードを含める必要はない

Google’s John Mueller:
Keywords in Domain Name Aren’t Needed
引用:https://www.searchenginejournal.com/keywords-in-domain-name/380912/

ということです。

ただし、SEO情報を発信している鈴木さんのブログによると、

 

ドメイン名にキーワードを入れることは、直接ランキングを上げることにはつながらないが、クリック率の改善に役立つことがある。キーワードよりもブランドイメージをドメイン名では優先する。

全般的に言って、ドメイン名の選択は、SEO よりもブランディングとマーケティング、ユーザーエクスペリエンスの問題であり、コンテンツ自体がランキングに最も重要だとゲイリーはまとめていました。

引用:自社ビジネスとGoogle検索で成功するトップレベルドメインの選び方

 

との記載がありました。

ドメイン名が直接的にSEOに影響を与えることはありませんが、ドメインに会社名やサービス・商品名を入れることで、間接的に影響がありそうです。

ドメインを変更するとSEOへの影響がある

GoogleはドメインごとにWebサイトを評価しています。
記事を移した実験からもそれは明白です。
そのため、もともとSEOがうまくいっていたにも関わらず、内容の変更はせずにドメインだけ変更した場合、それまでの評価は引き継がれず、Googleの評価はゼロからのスタートになる可能性があります。

もしドメインを変更する必要があり、それまでの評価を引き継ぎたい場合はリダイレクトを行い、Googleに対してドメイン変更の通知しましょう。
評価の引き継ぎは状況により異なると言われており、最低でも1年はリダイレクトを継続するのが望ましいです。

なお、ユーザーのことを考慮した場合は、1年を過ぎても可能な限り長くリダイレクトを継続するのが理想です。
旧ドメインやサーバーの管理コストなどと天秤にかけることになりますが、旧ドメインの契約をやめてしまうと、最悪の場合、他社に旧ドメインを取得されてしまう可能性があります。
その場合、旧ドメインへアクセスすると別のホームページが表示されることになりますので慎重に検討しましょう。

自分だけでできるドメインパワーを強める施策

Webサイトのテーマと関連のあるコンテンツを増やす

GoogleはWebサイト全体のテーマと関連のあるコンテンツを重視します。
例えば全体のテーマが「ホームページ制作・運用」に関連することであるにもかかわらず、料理のコンテンツを掲載してもテーマと関連のない記事のため、評価につながりにくい可能性があるということです。

質の高いコンテンツの制作

自分が発信したいことではなく、ユーザーが読みたくなる記事を掲載しましょう。
その記事を読むユーザーは、Googleで検索するとき、なんというキーワードで検索するでしょうか?
まずは実際にGoogleでキーワード検索を行って、上位に表示されるWebサイトを参考にしてみるのもおすすめです。
他社の記事をそのままマネするだけでは評価につながりにくく、場合によってはその他社から忠告をうけるなんてことにもなりかねませんが、どんなことが書かれていると上位に表示されやすくなるのかという指標として、とても参考になりますよ。

定期的に更新し、長期で運用する

よく長期的なドメインの運用がSEOに重要と言われていますが、運用歴が長いだけでは意味がありません。
長期にわたり、定期的に更新することが重要です。
ただ古いだけのドメインは意味がなく、更新が滞るとGoogleからの評価も下がりかねません。
新しいコンテンツの追加、あるいは既存コンテンツのリライトなど、更新を続けていきましょう。

自分のホームページのドメインパワーはどれくらい?

自分のホームページのドメインパワーがどの程度なのか簡単に調べることができるサービスをご紹介します。

パワーランクチェックツール
ドメインパワーのチェックのみになりますが、無料・アカウント登録不要、URLを入力するだけで結果緒をすぐに確認することができます。
ただし未登録の場合1日3回(無料で登録した場合は1日10回)までになりますのでご注意を!
パワーランクチェックツールはこちらから

まとめ

ドメインパワーを強めてお問い合わせや集客などにつなげられるようにしたいものの、なかなか自分では記事を増やすのも大変……という方も多いと思います。
私たち鶴岡製作所では、お客様のご予算にあわせてコンテンツの追加をお手伝いさせていただいています。
予算があまりないんだけど……という方もまずはお気軽にご相談ください。

ご相談はこちらから。

鶴岡製作所

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